意識低い系看護学生だった私が今も看護師を続けられる理由

 

こんにちは、えりりんです。

現在、東海テレビでドラマ「いつまでも白い羽根」が放送されていますね。

主人公の瑠美(新川優愛)は元々看護師を目指していたわけではなく、大学受験に失敗して仕方なく看護学校に入学したという設定。しかし、仲間や患者さんとの関わりを通して徐々に看護師を目指していく・・・なんだか昔の自分と重なるような気がします。かくいう私も最初は看護師になりたいと思わず、看護学校に入学した1人なのです。

 

1.大学行くお金?うちにはないよ

当時高校2年生だった私は将来の夢もないままアルバイトに明け暮れる日々でした。

市内では進学校の部類に入る田舎の公立高校。例年、生徒の85%が大学進学、10%が専門学校進学、残りが就職や浪人、フリーターという道に進んでいました。友達が具体的な進路を考えている中、何になろうかな〜と考えてた私。身体が弱かった私はよく保健室の先生にお世話になることが多く、優しくて綺麗な保健室の先生に憧れて養護教諭になろうと思いました。

さっそく帰って養護教諭養成課程のある大学を調べ、親に相談しました。

すると「ごめんね、大学行かせてあげられるだけのお金はうちにはないの」と返ってきました。

落ち込みました。いま思えば、高校1年生の時から真面目に勉強して学費の安い国立大学を目指す、奨学金を借りる、アルバイトをしてお金を貯める・・・自分なりに努力すれば両親に頼らずに大学進学する事も夢じゃなかったかもしれません。しかし当時の私にはそんな知識もなく途方に暮れていました。

「高卒で就職するのも難しそうだし、このままフリーターになるか・・・」

悩んだ末、憧れの保健の先生に相談することにしました。その先生の経歴を聞くと、高校卒業後に看護専門学校に進学して看護師として6年働いた後、養護教諭特別別科(看護師資格を持つ人対象で1年間の通学で養護教諭1種免許が取れる)で学び、現在に至るとのこと。

看護専門学校なら奨学金もいい条件で借りれるし、両親への負担も少ない。私も先生と同じ道を歩もう!と決意し受験、無事入学しました。

 
2.周りとの温度差

入学後、私は養護教諭になる事だけを考え、日々勉強に取り組んでいました。

その中で感じる周りとの温度差。「看護師を目指したきっかけは?」「どんな看護師になりたい?」「あなたの看護観は?」周りの子がすらすら答えているのに私だけが言葉に詰まる。だって私がなりたいのは看護師じゃない。養護教諭なんだから。看護師になる為の勉強は養護教諭になる為にどれも必要であると感じましたが、そんな毎日を過ごすうちに、私はここにいていいんだろうかと悩み葛藤したのを今でも覚えています。

 

3.実習を通して変わった看護師に対する思い

1年生の終わりになると始まる基礎看護実習。特に看護師になりたいわけでもない私が乗り越えられるのかとても不安でした。

が、実際に自分が行った看護に対して患者さんから「ありがとう」の言葉をいただいたり、服薬指導をした事で患者さんのコンプライアンスが向上したと実感すると、看護って楽しいかも!って徐々に思えるようになったんです。記録は面倒だし寝れないし、看護師さん怖いし、看護計画が上手く立てられなくて怒られるし、もう2度とやりたくないくらい実習は大変でしたが、それでも患者さんと関わる事は大好きでした。2.3年生になると、保育園実習や在宅看護実習などを経験し、病院以外でも看護師は活躍できる事を知りました。

 

4.病棟看護師、向いてないわ。

無事に卒業し、晴れて小児科病棟の看護師として配属が決まりました。

こどもが好きだったのと養護教諭になった時に看護師経験が生かせるよう小児科に希望を出しました。

配属当初は希望に満ち溢れてわくわくしていました。しかし待っていたものは毎日の3〜5時間の残業に加え、病棟会や勉強会、研修でくたくたな日々。当然夜勤もあり生活リズムはバラバラ。看護師なのに自分のQOLを保てず、ついに自律神経失調症になり3年間働いた後退職しました。

あと私、手先がすっごい不器用なんですよね。点滴も採血も処置も苦手。練習しても緊張しちゃう。看護師として致命的です。ダメダメナースです。もう病棟看護師は2度とやるもんかって思いました。

 

5.やっと見つけた輝ける場所

退職後、養護教諭特別別科に進学しようかと思いましたが、なんと学費が足らない。

なんて計画性のない私。自分の夢の為に貯金していればよかったです。という事でまた職探しをし、次は保育園看護師として働く事に。ありがたい事に小児科経験があるという事で即採用していただけました。

実際働いてみるとかわいい子どもたちに囲まれ、保育補助に入りながらけがの処置や看護、保健指導を行うのはとても楽しくやりがいがありました。病棟時代のような夜勤もなく、点滴や採血もない。年収は若干減りましたがそれでも心にゆとりができ、暮らしが豊かになりました。

養護教諭は小・中学校、高校にいる保健室の先生だとしたら、保育園看護師は保育園にいる保健室の先生というイメージ。対象年齢は変わりますが、病院ではないフィールドでの「保健指導」「けが・体調不良時の対応」「相談業務(保育園の場合は保護者が多い)」など私がやりたかった事が叶えられえる職場でした。

 

6.自分に合った看護フィールドを選ぼう

看護学生の時には考えられないほど、看護師という仕事にやりがいを持てるようになりました。今は家庭の事情で仕事から離れていますが、いずれはまた保育園看護師として活躍したいと思います。

看護学校に入学した人の大半は看護師に憧れ、看護師になる夢を持っていると思います。けど、実は意外とそうでもない人もいるんですよね。

経済事情や安定の為など、いろんな理由があって良いと思います。辛いから看護学校を辞めようと思っている人、周りとの温度差についていけなくて悩んでいる人。とりあえず看護師になるならないはおいといて、卒業して看護師免許だけは取っておくことをおすすめします。看護師という国家資格はやはり強いです。卒業後すぐ働かなくても、職場が合わなくてすぐ辞めても、資格があればいくらでもやり直す事は可能です。その上で自分が輝ける場所で活躍していける看護師が増えればいいなと思います。